建築基準法施行令第2条第1項第7号で軒の高さが規定されており、
建物の高さを示す指標の一つとされています。

施行令には「地盤面から建物の小屋組またはこれに変わる横架材を支持する壁、敷げたまたは柱の上端までの高さとする」と書かれており、
この地盤面というのが、※GL（グランドライン）と言われるものです。
（※建物が周囲の地盤と接する位置の平均値）

軒高とは簡単に言うと、GLから軒を支える構造材の上部までの高さのことなのです。


一般的に雨樋が設置されている場所が軒です、
そのため地面から雨樋までの高さが軒高に近いと考えるとイメージしやすいでしょう。

近隣の住宅に日差しが入るようにするため、
建物の高さを制限する日陰規制というものがあります。

第1種低層住居専用地域、第２種低層住居専用地域内の建築物で
日陰規制の制限を受ける地域では軒高が７ｍを超える建築物が対象となり、
軒高9mを超える木造の建築物は一定の防火上の基準に適合する必要があります。

例えば木造２回建ての住宅を想定した場合、

・地盤面から１階の床高までが60cm
・１階の天井高が2m40cm
・１階の天井から２階の床までが50cm
・２階の床から２階の軒桁までが2m75cm

この条件であれば軒高は6m25cm、
この寸法は一般的な木造２階建住宅の軒高になります。


この軒高が７ｍを超えるとこうした規制に引っかかってくるのです。

軒高以外にも、住まいについての高さを表す用語がいくつかあり
知っておくと新築時やリフォーム時にも役に立つ情報です。


・階高（かいだか）
　その階の床から上の階の床までの高さのことを言います。
　そのため、平屋や最上階などはその階の上が屋根の場合は階高はありません。

・梁下寸法（はりしたすんぽう）
　天井にある梁の下の部分から床までの高さを指します。

・躯体天井高（くたいてんじょうだか）
　その階の床から上の階のコンクリート床の下までの高さを指します。
　階高からコンクリートの厚さを引いた高さのことです。

・天井高（てんじょうだか）
　その階の床から天井までの高さのことです。

今回は”軒高”についてまとめてみました。

建築の専門用語であるため、普段の生活では特に意識することもありませんが、
日陰規制のあるエリアで家を建てようとしたり、
大規模なリフォームを行う際には関係してくるかもしれないので
あらかじめこうした用語を知っておくと役に立つかもしれません。

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